意外と気軽にアートコレクション
アートのコレクションというと縁のない話のように思われますが、実はそんなにハードルは高くありません。なぜなら、コレクションとは趣向品を集めることであり、誰もが最初は1点からのスタート、価格の高低も関係ありません。
好きな音楽を聞いて暮らすように、好きな作品に囲まれて暮らすのはなかなかいいものです。毎日眺められたら幸せだなと思ったら、それは所有したいという気持ちの表れです。作家(制作者)の意図がわかると愛着が湧きますし、日常的に眺めることでそれまで気づかなかったことに気づいて作品の見方が広がります。
昔、ある旅館オーナーがこうおっしゃっていました。
「アートを置くと空気が変わる」
アートは「場」とそこに居る「人」にも影響を与えます。
アートにはいくつかのタイプがあります。身近な題材、概念的なもの、社会的なメッセージ表現もあります。所有すること=長年のお付き合いになるわけですから、慎重に選ばなくてはなりません。自分にとって刺激的なものがいいのか、リラックスできるものがいいのか、という観点から絞り込んでいくこともできるでしょう。でも一番肝心なことは、自分が本当に気に入ったかどうかです。
作品を購入することによって世界も広がります。現存作家の作品であれば作家と交流することも可能ですし、特に若手作家の場合は今後の成長が楽しみになります。物故作家(既に亡くなった作家)は評価が安定していることがメリットです。作家の略歴や他の作品を知ることで購入した作品の位置付けもわかりますし、美術史へ関心を持つことにも繋がります。身銭を切ることは、ある意味、美術を理解したいという欲望を叶える近道なのです。もし将来的に作品の価値が上がれば、それは見る目があったことになるので、モチベーションも上がるでしょう。
作品を購入できる場所がギャラリーです。「所有するとしたら」という意識でギャラリーを巡り、作品との素敵な出合いを体験してください。
(画廊を楽しむ豆知識4/銀座ギャラリーズ事務局)