画廊に入らないのはもったいない!
「画廊って買うつもりがなくても入っていいの?」
以前、画廊巡りツアーの参加者にそう聞かれたことがありました。もちろんです、と答えましたが、そう思っている人は少なくないのかもしれません。今回は、画廊に入っていい理由について解説しましょう。
美術館は原則的に買えない(売り物ではない)作品を展示していますが、画廊に展示されている作品はほぼ全て売っているものです。画廊が商いの場だとわかっているだけに、何も買わないで出るのはバツが悪いと思っているのではないでしょうか? アートに興味があるのなら、美術館止まりになってしまうのは実にもったいないと思います。なぜなら画廊は、今後の活躍が期待される若手作家から著名な作家まで、現存作家の作品を最初に見られる場所だからです。物故(既に亡くなった)作家を扱っている画廊は、名品、知れれざる作品、珍品を展示していますが、時には美術館に展示されていてもおかしくないような作品もあったりします。
ここで考えてみてください。画廊は企画なり常設なりの展示をして作品販売を生業としていますが、アート作品は雑貨や洋服のようなペースで売れるものではありません。スタッフも、来店者=購入客になるとは思っていないはずです。そう考えると、作品ラインナップを考え、それなりに時間をかけて展示しているわけですから、まずは見てもらわないことには購入に繋がらないことからも、画廊は基本的にはウェルカムなのです。多くの人の目に触れた方が作家にとっても嬉しいはずです。
ということで、画廊は見るだけで入ってかまわないのです。ただ、気になった作品に出合ったら、それが自宅にあったら・・という想像もしてみてください。そう思うことで作品の見え方も変わってきますよ。
次回は、画廊でのマナーと作品鑑賞についてお伝えします。
(画廊を楽しむ豆知識2/銀座ギャラリーズ事務局)