開場55周年を迎える日生劇場

2018/06/08
歴史

開場55周年を迎える日生劇場のイメージ画像

1963年東京日比谷の一角に、日本生命創業70周年を記念して建設された日生劇場。
「人々の心に潤いと憩いを与え、ひいては将来の文化の発展に寄与したい」、特に「次の時代を担う若い人達、こども達に対し豊かな情操を育み、新しい感性を養える場を提供できれば」との思いから同劇場は建設されました。
着工より約4年の歳月を経て、1963年10月20日にベルリン・ドイツ・オペラによるオペラ「フィデリオ」(ベートーヴェン作曲)で華々しく開場。同歌劇場からはオペラ歌手だけでなく、合唱、オーケストラ、舞台技術者等総勢約300名を招く大事業となり、日本で初めての海外オペラ劇場の「引越し公演」となりました。



ベルリン・ドイツ・オペラ『フィデリオ』

以降、開場翌年にはブロードウェイ・ミュージカル初来日となった「ウエスト・サイド・ストーリー」の公演を実現。その後「越路吹雪リサイタル」(1965年~80年)やミュージカル「ラ・マンチャの男」(1970年第1回公演)、「オペラ座の怪人」ロングラン公演(1988年)などを上演し、開場以来、日本の舞台芸術の歴史と共に歩み、皆様に愛されてまいりました。
また、子どもたちの豊かな情操を育みたいとの思いで、開場翌年の1964年に「ニッセイ名作劇場」をスタート。小学生をミュージカルに無料招待するこの事業は、日本における「メセナ」の先駆けとなりました。当事業を引き継いで現在実施している「ニッセイ名作シリーズ」を含めて、これまでの観劇招待児童数は約788万名。子どもの頃、日生劇場で舞台を観劇したことがきっかけとなり、舞台芸術に携わっている方も数多くいらっしゃいます。


日本を代表する建築家村野藤吾氏が設計した日生劇場は、55周年を迎えた現在も、ストックホルムの市庁舎の建物を範とした劇場外観、約2万枚のあこや貝が貼られた天井や曲線で構成された劇場内観等、開場当時と変わらない佇まいで日比谷でお客様をお迎えしております。
日生劇場(公益財団法人ニッセイ文化振興財団)