Hibiya Festivalを終えて

2018/06/01

Hibiya Festivalを終えてのイメージ画像
宮本亜門氏プロデュース Opening Show

 “本格的な舞台芸術の熱気を日比谷の街全体に開放し、「観劇の街 日比谷」を広く世界に発信したい“。そのような思いを込め「Hibiya Festival」を企画した。


 東京ミッドタウン日比谷が完成し、日比谷の街づくりを行っていくにあたって、キーとなるのが賑わいイベント。さて、それをどう創っていくか?
 大切にしたのが日比谷の持つ日本のエンターテインメントの聖地としての歴史。映画・演劇を中心に正統派のエンターテインメントが脈々と受け継がれ、また、鑑賞できる施設が集積している日比谷で、観劇(オペラ、ミュージカル、舞踊、ダンス等)にスポットを当て、さらに新しい取り組みを発信する企画としたいと考えた。また一方で、ややもすると敷居が高くコアなファンのものになっている観劇体験の現状も変えていきたいとも考えた。



弧の会(日本舞踊)

 本格的な舞台を多くの人に体験してもらい、観劇の裾野を広げるとともに、日比谷から生まれる新たな観劇体験を創出する(日比谷発の文化芸術を生み出す)、そのような思いを込めたのが「Hibiya Festival」である。
では、それをどう実現するか? 企画を検討するなかで拘ったのが次の3点。
①屋外で無料の公演を行うこと
②日比谷エリア全体で連携して行うこと
③本格的な演目を通しで鑑賞できる環境も提供すること
 多くの人に体験してもらうには1点目の要素は外せないと考え、東京ミッドタウン日比谷の日比谷ステップ広場に屋外ステージを設置。天候リスク、音響・照明環境等、専門家の方から見るとある種無謀なことを行ったのかもしれないが、都心の屋外での観劇という日比谷ならではの体験を創出できたのではないかと考えている。また、出演者のご理解・ご協力もあり20超の団体に40を超える公演を行って頂き、演目もオペラ、ミュージカル、日本舞踊、ダンス等多岐に渡り、日比谷ステップ広場は期間中多くの熱気に包まれた。
 2点目のエリア連携については、帝国ホテル、東宝、ニッセイ文化振興財団、ニッポン放送にご協力頂き、また、文化庁、東京アート&ライブシティ構想実行委員会、日本芸能実演家団体協議会にも特別協力を頂き、日比谷公園やゴジラスクエアを始め、いろいろなベニュー(会場)で実行できたことは非常に良かった。
 3点目については、東京ミッドタウン日比谷内のQ HALLを臨時のベニューとして実施。本格的な劇場と比べると設備や環境が劣る中、各カンパニーがそれぞれ新しい取り組みを行い、最高のパフォーマンスを披露。進化する観劇の街日比谷を体現するステージとなったと思う。



日生劇場(ミニ・コンサート)

 初めての取り組みであった「Hibiya Festival」は地域の方々や関係者皆様のつよい熱意と温かいご支援により、無事終了することができた。この場をお借りして改めて厚く御礼申し上げたい。
また、期間中、本当に大勢の方々に観劇の体験をして頂けたことはこの上ない喜びである。
 「Hibiya Festival」は来年以降も毎年春に実施する予定。今回得られた様々な知見や教訓を活かし、来年はさらにパワーアップしたものにして行きたいと思うと同時に、将来的には“日比谷発”の世界的な演者や演出家がこの「Hibiya Festival」から誕生し、また、世界中の演劇関係者が集まるワールドワイドなフェスティバルにしていきたい。