花のお江戸の「新富座こども歌舞伎」

花のお江戸の「新富座こども歌舞伎」のイメージ画像
「白浪五人男 稲瀬川勢揃の場」

 江戸歌舞伎発祥の地である中央区には江戸時代から多くの芝居小屋があり、歌舞伎は庶民に広く愛されてきました。新富町には明治8年に新富座が開場し、芝居町として大いに賑いました。現在は町にその面影は残されていませんが、今でも歌舞伎を支える衣装や大道具、などの企業が数多くあります。
 この町で平成19年春、「新富座こども歌舞伎」の会は発足しました。
発端となったのは、滋賀県長浜の曳山祭での子ども歌舞伎との出会いです。
可愛らしい子ども達の歌舞伎とそれを支える町衆の熱気に「これは新富町でできる!」と心が躍りました。



「菅原伝授手習鑑 車引」

 長浜の子ども歌舞伎のように、地域に暮らす人々の歴史や風土の中に育まれ伝承されてきた郷土芸能が日本の各地にあります。私達の暮らす町には、先祖が300年にわたり愛した歌舞伎があります。
 観る歌舞伎から演じる子ども歌舞伎へ、地域の幅広い世代で共に体験し、五感で楽しみ親しむ。地元の伝統文化として未来に繋がねばとの使命感に突き動かされ、近隣の小学校、町会や神社、歌舞伎の関係者、など周りに協力を呼びかけ、沢山の方々に賛同を頂き11月にお披露目公演に漕ぎつけました。
 役者は中央区の小学生、唄三味線、囃子、着付けなどは演者の父母や地元の人たちで総勢70名程で公演を行っております。これまで歌舞伎を体験した子ども達は90名以上になります。



「義経千本桜 吉野山」

 舞台は鐡砲洲稲荷神社神楽殿に於いて2月節分祭と5月例大祭の奉納公演、11月「オータム・ギンザ」(銀座まちづくり会議主催)の銀座公演、他に3月「浅草奥山子ども歌舞伎まつり」で公演を行っています。
 歌舞伎って面白い、奥が深い!とみんなで楽しく舞台を作り上げています。いつか「新富座こども歌舞伎」が、「ふるさとの芸能」となることを夢見て活動しています。


「新富座こども歌舞伎」の会 
代表 諸河文子