知られていない、日本のアート&ライブ

2018/07/27

知られていない、日本のアート&ライブのイメージ画像

来日する外国人観光客が急増し続けている。観光客が訪日前に期待することのトップ3は、日本食68.3%、ショッピング53.4%、自然・景勝地観光45.4%とマスコミ報道のとおりである。しかし実際に来日してこれらを一度体験すると、次回の意向割合は半減する結果が出た。


一方、訪日前には認知度が低いものの、来日時に体験し、次も体験したいと思う割合が増えるのが、以下の文化芸術関係である。(観光庁調査2018年発表)


訪日前の期待来日時体験次回への期待
舞台鑑賞3.9%4.2%12.2%
歴史・伝統文化体験16.7%24.8%25.9%

アーツカンシル東京は、ここ数年、外国人観光客向けに浅草文化観光センターで日本舞踊と長唄、江戸東京博物館で演芸、羽田空港国際線ターミナルで獅子舞などのプログラムを週1日程度、無料で提供しており、多くの外国人に楽しまれている。


しかし、いざ日本への観光をめざす場合にこれらの期待値はいまだ低い。日本の芸術の魅力、情報がまだまだ知られていないことが大きく響いているのであろう。この状況を変えるには、舞台鑑賞や伝統文化体験に関する外国語情報を、世界の観光事業者やガイドブックなどへ提供するほか、ネット情報も充実させる必要がある。そして日本での体験事業の定例的、継続的な実施と外国語対応の拡充が不可欠となる。


アーツカンシル東京の体験事業は短時間でさわりを体験するものだが、もう少し深い体験を民間で定着させようと、有料での事業化の実験が2017年に「英語で歌舞伎音楽体験~Try Kabuki Music」として行われた。歌舞伎の音楽として欠かせない三味線とお囃子(笛、小鼓、大鼓、太鼓)からなる長唄の魅力を体験するプログラムだ。はじめての楽器にふれ、短い旋律をたどる。締めくくりにはプロの演奏をじっと聴き入り、みな大喝采。「次は歴史や楽器についてもっと詳しく学びたい」と期待の声もあがった。



東京アート&ライブシティでは10月24日から28日まで「初めての日本舞踊」を計画している。詳細は8月頃、ウェブサイトに掲載。