世界を変えるような1本を

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今年の東京国際映画祭は大きなテーマの1つとして「越境」というコンセプトを掲げています。新型コロナウイルスによるコミュニケーションの断絶、男女差別、人種差別、経済格差、国際紛争、世界には色々なボーダーがあるかと思いますが、映画にはそういったボーダーを乗り越える力があると思っています。言葉はわからなくても映像と音楽だけでも伝わってくるものはあるし、映画館や家に居ながら他の国に行った気分になったり、他の人の人生を味わって笑ったり涙を流してしまったり、映画には人種、性別、国籍に関係なく、観た人の心の深いところに突き刺さる力があります。1本の映画が誰かの人生を変えて、その誰かがまた他の誰かを、そして、世界を変えていくことだってありえることでしょう。いや、むしろ世界の進化はそんなところからこそ紡ぎ出されたのではないでしょうか。今年の東京国際映画祭で上映される作品の中からも世界を変えるような、そんな1本が生まれることを心の底から願っています。


東京国際映画祭
プロモーショングループ グループマネージャー
菊地 裕介